足の裏の痛みはよく足底筋膜炎と一言でまとめて呼称されます。しかしながらつま先に近いあたりが痛むのか、かかとに近いあたりが痛いのか、またはその真ん中あたりが痛いのか、それぞれで原因は異なると考えられています。今回はかかとに近いあたりが痛む場合の原因を研究した論文をまとめていきます。
ハイライト
・足底のかかとの痛みは、運動をしていない体重の重い人に多く発生する可能性が高い。
・足底のかかとの痛みは、特定の足の筋力不足と足首の背屈可動域の減少に関連している。
体格が大柄な場合はかかと付近が痛くなりやすい
大柄で体重が重かったり肥満傾向にある場合はかかと付近の足底筋膜炎が発症する可能性が高いとするデータがあります。特に運動の習慣がなく、肥満傾向のある人の発症率は高い傾向にあります。対照的に運動の習慣がある場合は体重が重かろうが肥満体型であろうがかかと付近の足底筋膜炎の発症は少ない傾向にあります。
足の筋力不足と足首の可動範囲の減少が原因と考えられている
足首や足の指を動かすための筋力が弱いとかかと付近の痛みが発生しやすい傾向にあります。特につま先を握る動作に関わる筋肉が低下することは避けたいところです。日頃から地面を握りながら歩くよう意識することが必要です。
また、アキレス腱が伸びる方向へ足を反らせる背屈という運動もかかと付近の痛みに関連しています。この可動範囲が狭くなると歩行時の足の裏のアーチが低くなり、かかと付近の痛みが発生しやすくなります。アキレス腱やふくらはぎの筋肉は柔軟に維持しておきたいものです。